ダークウェブモニタリングはいらない？知っておくべき必要性と選び方
ダークウェブは、一般のインターネット検索エンジンのもっとも深層に位置する、匿名性の高いウェブ領域です。
ダークウェブそのものに違法性はありませんが、個人情報や企業の機密情報が不正に取引されることがあります。そのため、自分の情報がダークウェブで取引されていないか、または自社の情報が漏洩していないかを確認する手段として、ダークウェブモニタリングが有効です。
ダークウェブモニタリングを利用することで、情報漏洩の早期発見や被害を最小限に抑えること、個人情報の不正利用を防ぐことにつながります。「ダークウェブモニタリングは、別にいらないのでは？」と思っているあなたに、その必要性や利用方法、選び方についてお伝えします。
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ダークウェブモニタリングとは？
ダークウェブモニタリングとは、インターネットの一部であるダークウェブ上でおこなわれている活動を監視し、不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティ脅威を早期に発見し対処するための機能です。
ダークウェブモニタリングを利用することにより、企業や個人が自身の情報が不正に取引されていないか、またはそのリスクがないかを確認することができます。
ちなみに、ダークウェブはGoogleやYahoo!などの一般的な検索エンジンではアクセスできないため、Tor(Onionサーバー)といった特殊なツールや技術が必要とされます。
TorとVPNの併用でダークウェブへ安全にアクセスする方法はこちら
ダークウェブモニタリングの必要性とメリット
個人情報の流出による被害を最小限に抑える
私たちの生活は、日々の買い物から銀行取引、ソーシャルメディアの利用にいたるまで、さまざまなオンライン活動に支えられています。
オンラインサービスが広く普及することで利便性が上がっている一方で、個人情報の流出リスクが高まっています。ダークウェブモニタリングは、個人情報が悪用される前に流出を知ることができる重要なツールです。
個人情報の流出事例
- オンラインショッピングサイトからのクレジットカード情報の盗難
- ソーシャルメディアアカウントの乗っ取り
- 健康保険情報の不正アクセス
流出情報がダークウェブでどのように利用されるか
ダークウェブでは、盗まれた個人情報がさまざまな犯罪に利用されます。
例えば、クレジットカード情報は不正な購入に、ソーシャルメディアアカウントは詐欺や偽情報の拡散に使われることがあります。また、健康保険情報は、他人名義での医療サービス利用や薬物の不正購入に悪用されるケースもあります。
セキュリティ侵害を早期に発見して対策を取れる
ダークウェブモニタリングにより、あなた自身や会社の情報がダークウェブ上で取引されているかどうかを確認できます。これにより、セキュリティ侵害を早期に発見して、迅速な対策を取ることが可能になります。
例えば、パスワードの変更、2FA(2段階認証)、アカウントのロック、関係者への通知など、被害を食い止めるための措置を速やかに実施できます。
セキュリティ侵害を早期発見するメリット
- 金銭的損失の回避
- 信用情報の保護
- 個人や組織の評判の維持
ダークウェブモニタリングは、個人情報の流出やセキュリティ侵害のリスクを減らすだけでなく、万が一の事態に備えて迅速に対応するための重要なツールです。
米国の大手通信企業であるAT&Tが7,300万人の個人情報が流出するなど、デジタル時代では常に個人情報流出の危険性があります。ダークウェブモニタリングをおこなうことで、デジタル時代の脅威から自身を守ることができます。
ダークウェブモニタリングのデメリット
ダークウェブモニタリングは情報漏洩のリスクを早期に発見し、対処することが可能になりますが、1つだけデメリットが存在します。
利用するための月額/年額コストがかかる
ダークウェブモニタリングサービスを利用するためには、サービス提供者に対して月額または年額のコストを支払う必要があります。
このコストは、サービスの内容や提供範囲によって異なりますが、高品質なモニタリングサービスを求める場合、それなりの費用がかかることが一般的です。
費用対効果から見たダークウェブモニタリングがいる人、いらない人
ダークウェブモニタリングサービスの利用にはコストが伴いますが、その効果を正確に評価しましょう。
情報漏洩のリスクが高い企業の場合、ダークウェブモニタリングによるセキュリティの向上は、支払うコストを上回るでしょう。また、出張や旅行など外出先でWi-Fiに接続して個人情報(クレジットカード情報・金融情報、ID・パスワード、電話番号など)を入力するような個人の場合でも、ダークウェブモニタリングは必須と言えます。
一方で、スマホの4G・5G回線のみを利用している、フリーWi-Fiを一切利用しないなど、リスクが比較的に低い人の場合は必要性が低いでしょう。サービスの選択にあたっては、あなたのセキュリティニーズと費用対効果を総合的に考慮し、最適なサービスを選択することが重要です。
ダークウェブモニタリングの選び方
ダークウェブモニタリングの選び方には、個人向けと企業向けがあり、それぞれのニーズに合わせた選択をしましょう。
個人向けの選び方
個人向けダークウェブモニタリングサービスを選ぶときは、以下のポイントを押さえましょう。
- 使いやすさ：
アプリケーションやウェブインターフェースが直感的に操作できるかどうかを確認します。日常的にチェックすることが多いため、使い勝手を重視しましょう。 - 監視範囲：
自分のメールアドレスだけでなく、クレジットカード情報やソーシャルセキュリティナンバーなど、複数の個人情報が監視対象に含まれているかを確認します。 - アラートの即時性：
情報がダークウェブ上で発見されたときに、どれだけ迅速に通知が来るかも重要なポイントです。早期発見により、被害を最小限に抑えることができます。 - サポート体制：
不正アクセスや情報漏洩が疑われる場合、専門家のサポートを受けられるかどうかも確認しましょう。
企業向けの選び方
企業向けダークウェブモニタリングサービスを選ぶときは、個人向けとは異なる視点が求められます。
- 監視範囲の広さ：
企業のドメインやブランド名、従業員の情報など、広範囲にわたる監視が可能かどうかをチェックします。企業全体を守るためには、広い視野での監視が必要です。 - カスタマイズ性：
企業のニーズに合わせて監視項目やアラートの設定をカスタマイズできるかどうかも重要なポイントです。業界や企業の特性に応じた監視をおこなうことができます。 - レポートの詳細度：
監視結果をどれだけ詳細に報告してくれるかも確認しましょう。具体的な情報が得られることで、対策を立てやすくなります。 - 専門家によるサポート：
セキュリティ専門家によるサポートが受けられるかどうかも、企業向けサービスを選ぶときの重要なポイントです。専門的な知見を持つ人材が内部にいない場合でも、外部の専門家のサポートを受けることができます。
ダークウェブモニタリングサービスを選ぶときは、これらのポイントを踏まえ、あなた自身や自社に最適なサービスを見極めることが大切です。
ダークウェブモニタリングを利用する方法
ダークウェブでは、違法な取引や情報のやり取りがおこなわれていることがあります。
自分の個人情報がダークウェブで取引されていないかを監視することは、オンラインでの安全を守る上でかなり重要です。以下に、ダークウェブモニタリングを利用するいくつかの方法を紹介します。
専門企業によるモニタリングサービス
ダークウェブモニタリングを専門とする企業も存在します。
これらの企業は、高度な技術と専門知識を用いてダークウェブ上の情報を監視し、個人情報の漏洩を発見します。サービスにはそれなりの料金が発生しますが、自分でモニタリングをおこなうよりも、より広範囲かつ詳細な監視が可能です。
個人向けのサービスというよりも、セキュリティ機能を強化したい企業向けのサービスと言えるでしょう。
ノートン360などのセキュリティソフト
多くのセキュリティソフトには、ダークウェブモニタリング機能が含まれています。
例えば、ちまたで評判がよく聞かれる「ノートン360」は、ユーザーの個人情報がダークウェブ上で取引されていないかを監視し、発見した場合には警告を発します。このようなソフトウェアは、インストールするだけで自動的にモニタリングを開始するため、特別な技術知識がなくても利用できます。
個人利用では年間4,780円〜、法人利用では初年度6,880円〜利用可能です。
モニタリング機能を備えているVPN
一部のVPNサービスには、ダークウェブモニタリング機能が備わっています。
VPNは、インターネット上での活動を暗号化し、匿名性を高めることで知られていますが、モニタリング機能を備えたVPNを利用することで、個人情報流出による悪用リスクを抑えることができます。
VPNならIPアドレスを隠し、通信の暗号化により匿名性を高めるため、Torと併用することで自らダークウェブにアクセスも可能。ダークウェブへアクセスしなくても、フリーWi-Fiのようなセキュリティ性の低い通信をよく利用する人は、VPNで個人情報を保護すべきです。
ノートン360や専門企業に依頼するより、個人でも気軽に使いやすいVPN。メールアドレスに基づき、紐づいている情報がダークウェブに流出していないか確認できる「NordVPN」でも、月額ワンコイン程度から利用できます。
これからのデジタル時代における脅威から、自分の身を守るためにVPNの利用をおすすめします。
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まとめ：ダークウェブモニリングはデジタル時代に必要なツール！
ダークウェブモニタリングは、未知の脅威や漏洩情報を早期に発見するための重要な手段です。
特に、個人情報や企業の機密情報がダークウェブ上で取引されている場合、その情報を迅速に特定し、適切な対策を取ることが可能になります。
個人と企業のセキュリティ対策はそれぞれ異なるため状況に合わせた対策が必要ですが、情報の漏洩は予測不可能な形で発生します。日頃からできる対策をしっかり取って、リスクを最小限に抑えましょう。
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